岐阜県恵那市の北西部にある笠置町は、
柚子の産地であり、ゆず祭りがとても有名です。
この地域の人々にとって柚子は、
昔から自宅の横に植えられている
大変身近な食べ物でした。
中でも、柚子を加工した「ゆべし」は
保存食として盛んに作られ、
お茶請けやおかず、おつまみとして幅広く愛されてきました。
そこで、2月の写真はゆべしをピックアップします。
ゆべしとは、果肉をくり抜いた柚子の皮に、
砂糖や味噌、胡麻や山椒や胡桃などを詰め込んで
一ヵ月以上乾燥させたものです。
この食べ物は、すでに源平の時代から食されてきたといわれ、
およそ800年以上の古い歴史を持っています。
2月のカレンダーのテーマは、
ゆべしの食べ方提案。
社内で新しい食べ方を検討し、
実際に試して美味しいと評判だったものを掲載しました。
薄くスライスしたゆべしと
温めたクリームチーズをパンに乗せて食べると
味噌のしょっぱさと香りが食欲をそそります。
さらにハチミツをかけることで、ますます奥深い味わいに。
ワインなどの洋酒にも相性抜群ですので、
ぜひお試しください。
笠置町の杤久保地区では、温度差の少ない気候を生かして
木曽川のほとりに柚子を植えていました。
実った柚子は、ゆべしにしたり、ゆず湯にしたりしていたといいます。
近年、笠置町では柚子を町の特産品にしようと力を入れており、
約1000本もの柚子の木が無農薬で育てられているそうです。
その安心安全な柚子を使った
カステラや味噌、ポン酢などの商品は
どれも酸味が効いた爽やかな風味。
ゆずジュースも濃厚ながらすっきりとしています。