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10月:ヘボめし “えな”里山の恵み  2019.10.1

岐阜県恵那市串原では、毎年11月にヘボ祭りという珍しいお祭りが開催されています。
ヘボとは蜂の子のこと。
海から離れた山里では、貴重なたんぱく源として重宝されていて、
今でもヘボを食す文化が受け継がれています。

 

近年は自然の減少によって蜂も減少しています。
串原村では秋に女王蜂を捕まえて越冬させ、春になったら自然に返し、
夏になったらその巣を見つけて人工飼育で巣を大きく育てるなど
ヘボの保護や育成に力を入れています。

 

串原の一部の方は今でも伝統のやり方で地蜂(クロスズメバチ)の巣を採っています。
その方法とは、まず山に入って餌を仕掛け、
クロスズメバチが来たら見失わないように追いかけて巣を見つける。
次に巣穴に煙幕を差しこんで蜂を気絶させ、巣を取り出すというものです。
また、自分の巣箱で育てている方々も大勢いて、
地域ぐるみでヘボに親しんでいます。

 

 

 

 

ヘボは美容にも効果があると話題ですね。
ヘボはアミノ酸やビタミン、ミネラルも含まれていて、
成分の高さはローヤルゼリー以上だともいわれ
アンチエイジングや生活習慣病の予防も期待できます。

 

 

お祭りの会場ではヘボを使った料理が販売されており、
炊き込みご飯や五平餅、甘露煮などが並んでいます。
見た目は少々ショッキングですが
ヘボは柔らかくて食べやすく、虫っぽい硬さはほとんどありません。

 

一口食べると、その意外な美味しさにきっと驚きます。
ヘボはお祝いなどの特別な日に食べるハレの日の料理だった、というのも納得ですね。

 

 

知る人ぞ知る恵那市の奇祭、「くしはらへぼまつり」は
全国各地から集まったお客さんで毎年大賑わいです。

 

会場ではヘボを使った郷土料理を楽しめる他、
自分で育てたクロスズメバチの巣を持ち寄って
中にどれだけ蜂がいるか、重量を計って競い合うコンテストも行われています。

 

また、ヘボの巣の標本を見ることができたり、
ヘボの文化などを知ることができたりする
「ヘボミュージアム」も会場にあります。

 

海外からもお客さんが来るほど、蜂尽くしの珍しい「ヘボ祭り」ですが
クロスズメバチが飛び交っているので、
行く際はしっかり身体を防護することをお勧めします。

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