お正月といえば、いつもより豪華なものを食べる日。
そんなイメージがありますよね。
この地域でもお正月はいつもより贅沢なものを食べていました。
里山のごちそうといえば、山のうなぎとも呼ばれる自然薯。
掘るのはとても大変ですが、
今でもお正月には欠かせない食材として大変人気です。
そして、海産物も重宝されてきました。
海産物が手に入ると麹や味噌に漬けて保存しておき、
お正月などのハレの日に振る舞われていたそうです。
そこで、1月の写真は自然薯とスルメの麹漬けをピックアップします。
この地域では、自然薯は1月2日に食べるという風習が根付いています。
年越しからたくさんご馳走を食べると、胃がどんどん疲れてきますね。
そこで2日にとろろを食べて、胃腸を整えるというわけです。
写真にあるように、自然薯を海苔で包んだものは
お酒のおつまみにもぴったり。
恵那市では自然薯を新たな特産品にしようという動きがあり、
中山道じねんじょ農園が栽培に力を入れています。
写真に掲載しているスルメの麹漬けは、飯地町の商品です。
飯地町は恵那市で一番小さな町で、丁寧に保存食を作っています。
新鮮な魚介が手に入りにくいこの地域では、
お正月のごちそうとして食べ続けられてきました。
このスルメは、ふるさとの味を守り続けるお母さんたちが
町で育った天空米というお米で麹を手作りし、じっくり漬け込んであります。
こうすることで、麹の旨みとスルメの旨みが溶け合って、
とても美味しくなるのです。
昔ながらの製法で手間暇かけられた麹漬けは、
ご飯だけでなく、ビールにも日本酒にも相性抜群!
ふっくらとして、柔らかで肉厚。食べ応えがあります。
写真には漬物の菊ごぼうと味付け味噌も掲載しました。
どちらも香ばしくて、ご飯のお供やお酒のおつまみにも丁度いい甘辛さ。
里山のお正月はこういったシンプルながらも温かなご馳走を
家族や親戚と囲んで、滋養あふれる食事で英気を養いました。